「市場に潜むギャップを重視」 GA Partners尾崎氏

メディア掲載
GA Partnersの尾崎邦明氏
GA Partnersの尾崎邦明氏

金融・不動産コンサルタントのGA Partners(東京・港)の尾崎邦明・代表取締役最高経営責任者(CEO)はゴールドマン・サックス証券を退社後、矢継ぎ早に事業展開を進める。新進気鋭の経営者に話を聞いた。

――どんな事業を手掛けていますか。

「金融・建築・不動産分野を軸に、ライバルが少なく、本質的な価値に比べ実質的な価格が割安方向へ乖離(かいり)している『ギャップ』のあるビジネス領域に進出している。会社を設立してまだ3年だが、現在は不動産ビジネス、金融教育、富裕層向け資産コンサルティング、カーボンクレジット事業を手掛けている」

――各ビジネスの概要を教えてください。

「不動産ビジネスでは、外国人に人気の北海道ニセコ・ルスツ地域などで土地の仕入れから建物の設計・開発、ホテル運用、売却の収支計画書の作成まで一貫して行い、1つの投資パッケージとして投資家に販売している。パッケージ化することで、単に不動産を売買・仲介するよりもお客様に喜ばれ、収益性も高くなる」

「不動産の世界は価格ギャップが多い。高値で取引されているエリアで割安な土地を機動的に取得し、ニセコ・ルスツでは合わせて10万坪以上、東京ドーム約7個分の不動産コンサルティングを行う。不動産仲介業者が収支計画書を作るのは難しく、金融業界でも不動産の知識を持つ人は多くない。金融の視点を持って不動産に投資できることが我々の強みだ」

「金融教育分野では、金融特化型研修『マネトレ大学』を運営している。若手経営者や学生、サラリーマン、主婦など様々な層が受講し、幅広い金融知識を組み合わせて考える力を養うプログラムだ。日本の金融リテラシーは世界の先進国に比べて低く、この大きなギャップをなくしたい」

「富裕層向け資産コンサルティングは、プロアスリートや芸能人向けにも行っている。彼らは引退後に生活が困窮するケースが目立つ。資産ポートフォリオ構築のみならず、ライフプランニングや税金対策なども助言し、引退後の生活をバックアップする役割を目指している」

「カーボンクレジット事業は、温暖化ガスの削減量を取引する『カーボンクレジット』を、森林の適正管理によって創出するものだ。日本では2026年度から『排出量取引制度』が本格稼働する。日本のカーボンクレジットは将来的に価格上昇が見込めるため、長期的な目線でバイ・アンド・ホールド(買い持ち)している」

――新しい事業を生み出す原動力は何ですか。

「インドで暮らした中学時代の3年間がその後の人生に大きな影響を与えた。同い年の子どもたちがストリートチルドレンになり、水や食事をまともに取れずやせ細っていく現実を目の当たりにした。自分がいかに恵まれているかを痛感し、人一倍努力して成功しなければと心に誓った」

「自らビジネスを生み出すことに面白さを感じている。大学時代にお金に困りたくない一心で株式投資や為替取引を始めたが、短期的なトレードはいくら頑張っても損することがある。事業経営なら頑張った分がプラスになると考えた」

――これからの事業展開について教えてください。

「日本への投資を希望する外国人の障壁をなくしたい。外国人から見ると、日本は安全・清潔で、素晴らしい文化や環境を持つ宝の山だ。在留資格を取得したい外国人に対して、不動産管理法人に経営・管理ビザを付けて販売する方法を用意している」

「中学時代を過ごしたインドの成長に注目している。ベンチャーキャピタル(VC)投資や不動産ビジネスなど、まだまだ大きなギャップが存在する分野がある。本質的な価値を精緻に測定できる人が少ないからだ。先進国が発展してきた過程で構築したビジネスモデルをインドなどの新興国に持ち込むことを考えている」

(QUICK資産運用研究所 平原武志)

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